ダイエットとタバコとチョモランマ

5月7日に「6月末までに5kg減量します。」と宣言し、6月30日に「目標を修正して、8月末までに64kgにします。」と言い、もうそろそろ8月末です。結果は、



減るどころか軽くリバウンドの兆しすら見えています...。あと数日残ってますが、もうすっかり心が折れているのでダイエット2010はこれで終了です。目標が達成できなかった原因を一応考えておきます。

まず考えられる理由としては、ソロモンツアーでトレランと食事制限が困難だった。ううん、人のせいにするなんて最低です。次に考えられる理由としては、分銅式の体重計を購入しなかった。物のせいにするなんてもっと愚かです。やっぱり、ダイエットする意味を見出せなかったことが最大の原因なのではないかと思うんですね。

じゃあ、なぜダイエットを始めたのかということですが、そんなことが分かっていれば苦労しないわけです。何をおかしなことを、と思われそうなので言っておきますが、ありとあらゆる出来事は意味があって始まるわけではなく、事後的に意味が付与されます。別の言い方をすると、あらかじめシナリオがあってその通りにことが運ぶわけではなく、全ての物語は事後的に語られるものです。

たとえば人生が、気がついた時にはすでに始まっていて、いつ終わるかを知ることはできないくて、これから先がどうなるか分からなくて、これまでの出来事の意味は変化し続ける、そういうものであるように、ありとあらゆる出来事には、あらかじめ意味があるわけではなく、先は読めず、後を振り返ったときに見える意味は変化し、今をどのような文脈に位置づけるかは刻一刻と変化します。

全ての結果に原因がある、というのとは別の話です。世界は因果の織物のようなものであって、全ての出来事に原因があります。ただ、その原因が結果にどのような意味を持つかというのはあらかじめ決まっているわけではありません。

たとえば喫煙は肺がんのリスクを高めることが知られていますが、喫煙によって高められる肺がんの可能性と、喫煙習慣を持つことで可能になる体験や会話が生まれる可能性、どちらが人生において大きな意味を持つかなんてあらかじめ分かりません。まして、喫煙者の形見が狭い今の風潮ならなおさら、喫煙習慣によって得られる体験の特殊性が増し、素敵な物語が生まれる可能性が高まります。チョモランマ登頂を目指す人と目指さない人、凍傷や雪崩、遭難のリスクが高いのは明らかに前者です。リスクの低い方だけを選んで紡がれる物語が面白かろうか、いや、面白くない。

というわけで、今年のダイエットに失敗したという話でした。失敗したら話題を変えて雄弁になるパターン。

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